事業用に店舗を賃貸し、開業を目指す方は多いと思います。その際、自宅と貸店舗を借りると両方の家賃支払いが大変となり、不安や心配もあることでしょう。
それなら、自宅を建てる時に事業を意識して自宅の一部を店舗として活用することが可能です。ただし、店舗付き住宅にはメリットがある一方、デメリットもあります。
この記事では、店舗付き住宅の概要とメリット・デメリットについて詳しく解説します。
住宅付き店舗とは?
店舗付き住宅とは、1つの建物の中に住居としての部分と店舗用の部分を併設した住宅のことを指します。
なお、細かく分類すると、店舗併用住宅と店舗兼用住宅の二種類があり、それぞれの違いは次のとおりです。
- 店舗併用住宅:中で店舗と住宅を行き来できないが、店舗部分をテナントとして貸し出すことができる
- 店舗兼用住宅:中で店舗と住宅を行き来できるが、店舗部分をテナントとして貸し出すことはできない
ここでは、店舗併用住宅を中心として記述します。
店舗付き住宅のメリット
まず最初に、店舗付き住宅の主なメリットについて解説します。
- 店舗部分にはテナント家賃がかからないので、万一のリスクを抑えて開業が可能
- 自宅なので、出勤不要で通勤時間も一切かからない
- 店舗部分の建築費を事業経費として計上可能
- 店舗を貸せば家賃収入が得られる
店舗付き住宅は、店舗部分への家賃が不要で経費として計上できる点が大きなメリットとして挙げられます。
また、何かの事情で店舗を廃業した後でも、その部分を賃貸物件として貸し出すことが可能です。
ただし、店舗部分を住宅ローンで借りている場合には、当該ローンを完済まではテナントとして貸し出すことはできません。
このため、店舗部分を賃貸物件として運用する際には、ローンの借り換えや繰り上げ返済を事前に検討する必要があります。
店舗付き住宅のデメリット
続いて、店舗付き住宅のデメリットについてみていきます。
- 立地条件(住宅街など)によっては、店舗に行列や路上駐車があった場合などに近隣住民からの苦情リスクがある
- 立地次第が悪く、集客が期待できない場合には売上が伸び悩む場合がある
- 店舗付きのため、一般住宅としては第三者に売却するのが難しい
- 一般住宅と比較すると建築費が割高となる
店舗付き住宅を建築する際には、何といっても近隣住民への配慮が非常に大切です。特に閑静な住宅地に店舗を出す場合は、営業時間にも配慮し、顧客のマナーなどに気をつける必要もあります。
また、店舗オーナーが高齢化したり、様々な要因によって店舗経営がうまくいかなかった場合には、店舗を弊店する場合もあるでしょう。
その際には、当該店舗部分を賃貸物件として外部に貸し出すのか、自分の住居スペースとして改修するのか、建築時に予め計画することも重要です。
まとめ
以上、店舗付き住宅の概要とメリット・デメリットについて解説しました。
夢と希望を持って開業する店舗付き住宅ですが、様々な注意点もあります。この記事を読んで、気をつけるポイントをよく理解し、充実した店舗付き住宅の運営にお役立てください。